“好き” のチカラ
鉄道好きの男の子、年は5歳。
今日は耳鼻科で耳のそうじと皮膚科で手当てを受け、
よく我慢したのでそのご褒美に本を買ってもらうということでやってきた。
好きな本を買っていいらしい。めったとないチャンスだ。
以前、おとなが読む鉄道の雑誌をお父さんにねだって、渋々買ってくれた経験がある。
お父さんはどうやら値段の高い本は困るらしい。
しかし今日は、なんでもいいということなので店内をチョロチョロ歩き回り物色し、
また気になるものを何冊か(すべて大人向けの本)吟味し、
最終的には時刻表を選んだ。
この時点でじゅうぶん面白いのですが。
今月号の時刻表には付録に手提げバッグがついているが、先月の付録の
全国鉄道マップがひとつ余っていたので、差し上げたらすぐに開きだして
もにょもにょとお経を読むようにしゃべりだした。
そう、この子はお父さんやお母さんに「あいさつしなさい」と言われて渋々するくらいで
ふだんはあまりしゃべらない。まあ、おじさん相手は恥ずかしかったり面倒くさかったりするのでしょう。
しかし鉄道の話になると目が大きくなりたくさんお話してくれるのです。
さて、その気になるもにょもにょをよく聞いてみると、
全国の駅名を順番に読み上げてるのです。
しんおおさか、こうべ、ひめじ、おかやま、しんやまぐち・・・
おおぉー、これはおじさんでもわかる。山陽新幹線の停車駅だ。
お父さんがときどき電車乗りにつれてってくれると言ってたのできっと
乗ったことあるのだろう。
もにょもにょはしばらくつづく、
つるが、ふくい、あわらおんせん、かなざわ・・
ちば、まくはり、ふなはし、しんこいわ、かめど・・
ん? 暗記してるのか?
お母さんに尋ねると、鉄道の本を読みすぎて漢字を覚えてしまったとのこと。
すごい、天才!そりゃ、時刻表も読めるわ。
好きのチカラは凄いと思ったのと、子どもだけじゃなく
大人もこうして、好きなことに素直に力を注ぐべきだなと思いました。
子どもは好きなことをやって、それでメシが食えるかなど考えてない。
好きなままやるというだけ。
大人でもそういう人いますが、少数派で、それをやってどうなるのか?あとのことを
考えてやらなくなるか、そもそも好きなことがわからないという人が多い。
何にならなくとも、好きなことに時間を費やしてるだけで幸せなのです。
私も鉄道白地図を買っていて、乗った線を色鉛筆で塗ってるのですが、
コロナですっかり止まってたので、このお子さんに触発されました。
お出かけしたくてウズウズ。
みなさんの好きなものは何でしょうか?
本もそうですが、好きなものを語るとき人は輝いてます。
またお聞かせいただければ幸いです。
こんぶ